隠れ家

私的な隠れ家です。 見つけた人は偉い!観察力に脱帽します。なんか適当にコメント残していってくださいまし。

Wednesday, December 13, 2006

サイケデリックな幻覚考

手術をすべきかどうかの検査のための掻破(そうは)手術で、一泊して帰ってきました。
うー、基本的に婦人科は検査が痛いし恥ずかしいし気持ち悪いし…なので、大嫌いなのですが(好きな人は誰もいませんね)命がかかっているらしいので、泣き言ばかり言ってられませんと受けてきました。
入院は2回目、同じ病院なのですが、前回とは違って手術があるぞーってことで緊張しました。

連れの会社は理解ある会社なので、特別に2日間お休みをとってくれて、付き添ってくれることになり、心強い。朝11時に病院に到着した。

まずは、血液検査と点滴。私の血管はうねっているらしく、なかなかポイントを見つけられない模様だったので、手首から点滴されたことがある旨伝えるとようやくわかったようです。ところが、手首の血管が太かったためか、血液検査用に注射針をブスっと射したと同時に、血液がピューっと噴き出てきて、看護師さんが大慌てしたのがなんともかんとも。初めてのことだから不安だらけなのになぁ。こういうところで、びしっと決めて欲しいのが人情です。
なんとか、点滴の針は無事刺さって、飛び散った血液を苦笑しながら拭いてあとは、「夕方には」と言われた手術を待つことに。

予想通り、手術は夕方になっても始まらない。外来が混んでいたらしく、7時の面会時間の終了まで待っても始まらない。連れが帰らなくてはならない時間になっても始まらず、「明日迎えに来るからね」と帰宅。かなり心細い。

夕方には手術するからと、お昼を抜き、晩御飯の配られる7時30分を過ぎてもお知らせは無い…。
ひもじい…この病院は食事がおいしいのが売りなのに!(違)

8時30分を過ぎた頃、ようやくお呼び出しがかかりました。さて、お着替えです………。
点滴したまま一人で着替えるのはたいへんです…(汗)
袖をはずして、点滴の薬液の入ったボトルを通して…。
そうこうしているうちに、血管から点滴の管に血が逆流…。ウキー!

なんとか着替え終わった頃に、若くてかわいい看護士さんが麻酔が効き易くなる注射を管の注入口から注入しようとしても、入らない…。無理矢理注入しようとすると、逆流して薬液が飛び散り、ますます不安に。

点滴刺し直しです。朝に点滴を入れるのに手間取った看護士さんが今度は腕から「見つかりました!」の掛け声に不安は最高潮!(泣きそうです)。
今度は、点滴のジョイント部が見つからず、件の看護士さんが走っていきました。

手術台の上に横たわっている私に逃げ場はありません。医者に「今体重何キロ?」と聞かれて答えると「じゃあ○○1グラム!」「え?2グラムですか?」「1グラムですね!」。
直後に私は赤とピンクとオレンジ色のストライプの世界に突入した。

手術を受けているのかさえ全くわけのわからない状態になって、サイケデリックな世界を猛スピードで駆け抜けていた。私の自意識はビー球サイズになって、暖色系縞模様の中を駆け抜けつづけていた。「ああ、これがサイケデリックなんだ」「寒色系の色彩感覚がやられるからこういうふうに見えるのか」と分析する。能天気な色彩の洪水を高速移動する思考。

気がつくと自分のベッドの横にストレッチャーがついていた。「移動できますか?」と聞かれて頑張ってベッドに…ヘニョリとへたりこんだ。頑張りきれなかったようだ。看護士さんたちが総出でグンニョリしている私の身体を真直ぐに向けて、くれたっぽい。数人のピンクと赤とオレンジ色の縞々で縁取られた頭の形をしたものがなんとか認識できた。

少し時間が経つと、死んでいた青とか緑とか紫の色彩が戻ってきたので、その色の塊を脳内で、動かして遊ぶ。

しばらくしても、動くと2日酔いというか軽い酩酊状態が続き、看護士さんに頼んで、ポカリスウェットを飲む。晩御飯どころではない。心配されているのか夜中に4~5回見に来てくれる。

麻酔薬が効きすぎて痛みは感じなかったけれど、サイケデリックな世界を味わってしまった。

翌朝までうとうととして過ごし、やっとひさびさの食事。サラダとパンと牛乳。これくらいのほうがいいんだろうな。すきっ腹に牛乳がしみた。

寝汗をかいたので入浴し、連れがお迎えに。そして退院。

怖がっていた痛みより、麻酔の効きすぎによるサイケデリックな世界を味わった入院だった。

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